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2020年4月18日 (土)

Boz Scaggs『Down Two Then Left』 1977

僕達が学生時代、リアルタイムで聴いたAOR。その中核を担うロック出身のミュージシャンの一人が「ボズ・スギャッグス(Boz Scaggs)。そのボズが1970年後半から1980年にかけてリリースしたAORな盤、「Slow Dancer」「Silk Degrees」「Down Two Then Left」「Middle Man」については、僕は密かにボズのAOR4部作と名付けている。

Boz Scaggs『Down Two Then Left』(写真左)。1977年11月のリリース。ボズのAOR4部作の第3弾。ファンキー&メロウがメインのAOR盤。アーバンテイストなアレンジがなかなか「粋」に響きます。

ソウル・テイストを強化すべき、キーボード&作曲において、当時頭角を現し出したマイケル・オマーティアンにイニシアティヴを預け、リズム隊もオマーティアン自身のユニット、リズムヘリテッジの面々が中心に請負い、明らかに前作よりロック色が交代し、代わりにファンキー&メロウさが増しています。

この「ファンキー&メロウなAOR」というのが、ボズ・スギャッグスのAORの個性で、ここにロック色をしっかりクロスオーバーさせていて、あくまで「ロック」な音作りに軸足を残しているところが、僕達の好みと合致するところで、学生時代、このボズのAOR4部作は、かなりの「ヘビロテ」な盤として鳴り響いていました。
 
 
Down-two-then-left  
 
 
バックの演奏のアレンジは、ファンキー&メロウな面を強化した故に、ライトなフュージョン・テイストがしっかり漂っていて、フュージョン・ジャズの延長線上、ポップでソフト&メロウなフュージョン・ミュージックとして楽しむことが出来ました。

バックの面々は、それはそれは「AORの強者ども」の饗宴といったもので、これだけの面子がやったら、そりゃぁ良いAORなアルバムが出来るでしょうよ、と呆れてしまいます(笑)。特に、ギター(Steve Lukather、Jay Graydon、Ray Palker Jr.)、ベース(David Hungate)、ドラムス(Jeff Pocaro)という「お馴染のメンバー」で、ボズの基本的な音作りをガッチリとサポートしています。

思えば、1974年リリースの『Slow Dancer』から始まったボズのAOR化でしたが、この3作目『Down Two Then Left』で、ほぼ完成したと言えるでしょう。

惜しむらくは意味不明なジャケットデザインと若干のセールスの不振(それでもビルボード最高位11位なんですけどね)で4部作の中で影のちょっと薄い盤なんですが、意外と良い内容ですよ。この盤もやはりAORの好盤の一枚でしょう。
 
 
 
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Never_giveup_4
 
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