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2020年7月19日 (日)

J.D.Souther『Black Rose』 1976

一般的には、昨日ご紹介した『You're Only Lonely』の方が圧倒的に有名なアルバムですが、アルバム全体の出来や内容はこちらの J.D.Souther『Black Rose』(写真)のほうが、断然、優れている。僕はこのアルバムが、J.D.サウザー(J.D.Souther)の最高傑作だと思っています。

J.D.サウザーは「6人目のイーグルス」とも呼ばれ、イーグルスの幾つかナンバーも、フライ&ヘンリーとの共作で何曲も提供しているソングライターの存在でした。そういう意味で、シンガーソングライターとしてのJ.D.サウザーが、このアルバムで息づいています。

音楽的にも、当時流行の様々な要素を取り入れていて、とても楽しい音作り。1曲目の「Banging My Head Againstthe Moon」のレゲエのリズムにサウザーのボーカルが重なると、たちまち、ウエストコースト・ロックのレゲエ版に早変わり。J.D.サウザーには、揺るぎの無い個性がある。
 
 
Black_rose  
 
 
2曲目の「If You Have Crying Eyes」の前奏のフェンダー・ローズの音なんぞ、もうどう聴いても、ウエストコースト・ロック。聴いた瞬間、身もだえしたくなるような哀愁漂うフェンダー・ローズの音です。3曲目の「Your Turn Now」のようにフォークっぽい曲も、しっかりテンション張っていて、「だれた」感じが無くて、聴き応えがあって素敵です。

アルバム全体の音作りも、西海岸らしい乾いた音の雰囲気の中に、これまた西海岸らしい「独特の哀愁感」誘うエコーがかかっていて良い雰囲気ですし、とりわけ、サウザーの声が良い。サウザーの声が効果的に響いて、ウエストコースト・サウンドを確固たるものにしています。

レゲエがあったり、フォーク調あり、ロック調あり、とにかく幅広い音楽性のなかで、サウザーのボーカルひとつで、一気にウエストコースト・ロックの世界ににつれていかれる、そんな見事なアルバムです。サウザーの才能の凄さを感じさせるとともに、明らかに彼のキャリアの頂点に位置する作品です。1976年のリリース。
 
 
 
東日本大震災から9年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

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コメント

ひさしぶりに貴サイトに辿り着きましたが、更新がハンパないですね。恐れ入りました。そしてだらりと見ていたら、この名盤。おっしゃる通り、JDSがブレイクしたのはレコード会社も変わりこの次のYou Are…でしたが、このアルバムこそ70年代西海岸ロックの最後を飾る名盤です。確か、発売時期、渋谷に短期間で閉店したロック喫茶ZigZagという名前だったと思いますが、Steely DanのRoyal Scamとよくかかっていて好きになり、近所のCiscoで買って帰りました。冒頭一曲目、ギターはレゲエのカッティングですが、ベースとドラムはファンキーな感じで、今でもアガリます。当時買ったLPを昔処分してCDで聞いていましたが、数年前中古盤を見つけて再び愛重しています。JDではなく、John Davidと名乗っている彼が好きです。Lowell Georgeのゲスト参加も嬉しい一枚です。
 蛇足ながら、AORのAはadultではありません。AlbumのAです。というのも、当時の日本のレコード会社かラジオ局が、アメリカで業界が使い始めたAlbum Oriented Rockの略号AORを勝手にもじっていたのです。宣伝上これで括られたのが日本的解釈のAOR系音楽にすぎません。本来のAORはGrateful DeadやPink Floydなどシングルよりもアルバムのトータリティーで聞かせるミュージシャンを指す言葉です。

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