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2020年9月

2020年9月 2日 (水)

Karla Bonoff『Restless Nights』 1979

AORブームは1970年代後半。AORと言えば、ボズ・スギャッグスとかクリストファー・クロスとか、TOTOとか、メジャーな全国区な名前が浮かぶが、僕達がAORブームをリアルタイムで体感していた頃、そう大学時代真っ只中の頃、米国西海岸ロックの「粋な大人のロック」にもターゲットを拡げて、AORにどっぷり浸かっていた。

AORブームの1970年代後半、米国西海岸ロックでは、女性シンガー、女性シンガーソングライター(SSW)の台頭が際立っていた。その米国西海岸ロックの歌姫(女性シンガー)と言われて、頭に浮かぶのは「カーラ・ボノフ(Karla Bonoff)」。

米国西海岸の清純派SSWで、西海岸ロック歌姫の筆頭、リンダ・ロンシュタットにたくさんの曲を提供しています。このリンダとボノフって、実に対象的で、リンダが薔薇の花とすれば、カーラは百合の花。リンダが明るい人気者なら、カーラは内気で目立たない、でもしっかり者のタイプ。同じ曲を歌っても、リンダはパンチがあって天真爛漫、カーラは、ひっそりと清楚な佇まい。僕は、この「清楚な佇まい」ってところが好きですね〜。

Karla Bonoff『Restless Nights(ささやく夜)』(写真)。さて、ここでは、カーラの代表的なAORなアルバムをご紹介しましょう。そのアルバムは、カーラ・ボノフの最高傑作の呼び声も高いソロ2作目。1979年発表の傑作。米国西海岸のミュージシャン総出演って感じの、実に豪華なサポート陣によって、いかにも「米国西海岸ロック」といったサウンドが「たまらない」。
 
 
Restless-nights  
 
 
豪華なサポート陣とはどれほどのものか。ドラムスのラス・カンケルを始め、ワディ・ワクテル(g)、ダニー・クーチ(g)、デビッド・リンドレー(g)、アンドリュー・ゴールド(p,g)などを配し、バックボーカルに、ドン・ヘンリー、J.D.サウザー、ウエンディ・ウォルドマン、ジャッキー・デシャノンを招集という、今から思えば、とにかく贅沢の贅を尽くしたサポート陣である。

当時、僕は大学生で、LPを部屋に飾りつつ、そのジャケットを眺めながら、何度も何度も良く聴きましたね〜。冒頭アップテンポの米国西海岸ロック丸出しの「Trouble Again(涙に染めて)」も大好きですが、なんといっても、極めつけの名曲は、やはりラストの「Water Is Wide(悲しみの水辺)」。

海の向こうにいる恋人への思いを歌ったトラディショナルナンバーで、これほど切ない歌は無い。涙無くしては聴けない名演である。カーラの歌はしみじみとして、ゲストのガース・ハドソンのアコーディオンや、ジェイムズ・テイラーのギター&バックボーカルも雰囲気が良い。いや〜、思い出しますな〜、あの頃を。

とにかく、米国西海岸ロックの雰囲気をベースに、とても西海岸らしい、爽やかで優しくてシャープな大人のポップ・ロックが満載のアルバムで、今でも聴くと口元が緩みます。米国西海岸ロックの「粋な大人のロック」の香りをプンプンさせる、素晴らしい出来映えの一枚です。
 
 
 
東日本大震災から9年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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