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2021年1月22日 (金)

Far Cry『The More Things Change』1980

AORとは「アダルト・オリエンテッド・ロック」の略。和製英語である。落ち着きのあるお洒落な大人のロックって感じの音楽ジャンル言葉。

このAORの世界で「スティーリー・ダン・フォロワー」という分類がある。1970年代後半、AORの時代。AOR時代到来の前からAORな音世界を現出していた、スティーリー・ダン。その音世界を踏襲したミュージシャンやグループが「スティーリー・ダン・フォロワー」。

その「スティーリー・ダン・フォロワー」の代表格が「Far Cry(ファー・クライ)」。フィル・ゴールドストンとピーター・トムの2人によるこのデュオ、スティーリー・ダンをポップにした音世界が特徴。とにかく聴き易い。聴いていて心地良い。AORの良いところを凝縮した、AORの完成形の様な音世界。そのFar Cryがリリースした唯一のアルバム。

そのアルバムとは、Far Cry『The More Things Change』(写真左)。1980年のリリース。プロデューサーとして、ビリー・ジョエルなどを手がけたプロデューサーのフィル・ラモーンやスティーリー・ダンのアルバムに名を連ねるエンジニアのエリオット・シャイナーを迎えている。それだけでも、このアルバムは「スティーリー・ダン・フォロワー」として、成功を約束された様なもの。

アルバムの冒頭「The Hits Just Keep On Comin'」を聴けば、AORのサウンドの本質が良く判る。AORの見本のような素晴らしい曲ですね。この曲のみならず、Far Cryの音世界には「潮風」を感じます。ベイエリア・サウンドといった感触でしょうか。
 
 
Far_cry  
 
 
本家のスティーリー・ダンはアーバンなサウンドが旨ですが、そこが、Far Cryの独特の個性です。このベイエリアの雰囲気が良いんですよね。なぜか、サンフランシスコを思い出します(笑)。米国西海岸なサウンドですね。

バックを固めるミュージシャンも、ロブ・マウンジー、スティーブ・カーン、ラルフ・マクドナルド、クリス・パーカーなど玄人好みのフュージョン・ジャズ系ミュージシャンを揃えて、テクニック溢れる、ちょいと捻りを効かせた、それはそれは素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

そして、なんと、このアルバムには、ご本家スティーリー・ダンから、ドナルド・フェイゲンがバック・ボーカルでゲスト参加しているんですね。確かによく聴いていると、あれれ、と思いますよ、「スティーリー・ダン・フォロワー」の耳の持ち主ならば(笑)。

アルバムのジャケット・デザインも素敵です。赤いシグナルが印象的。このジャケット、ずっと見ていても決して飽きない。なんか、とっても良い感じなんですよね。このアルバムに詰まっている、ベイエリア・サウンド的な、少し翳りがあるけど、夕暮れ時な、暮れなずむような音の雰囲気を良く表している。

大学時代、よく聴いたなあ、このアルバム。行きつけの喫茶店で、下宿で、研究室で、古墳に向かう車の中で、このアルバムをよくかけたなあ。ベイエリアなサウンド。米国西海岸なサウンド。このアルバム越しに、僕達は「ウエストコースト」を感じていた。

ふふっ、僕自体が「スティーリー・ダン・フォロワー」である。このアルバムは今でも大好きだ。
 
 
 
東日本大震災から9年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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