はじめに
レーベルの名は「ECM(Edition of Contemporary Music)」
ECMはジャズのレーベルでもあり、古楽や現代音楽のレーベルでもある。創立者はマンフレート・アイヒャー。彼はジャズ、クラシックにおいてコントラバスの奏者でもあり、グラモフォンでの録音技師の経験もある青年であった。
そんな自分の演奏家としての素養と録音技術の経験を基に、自らが感じ、選んだ「今日的」な音楽を記録し、世に問うべく、自らのレーベルを1969年に立ち上げる。そのレーベルの名は「ECM(Edition of Contemporary Music)」。
拠点はノルウェーのオスロ。北欧ジャズの拠点でもある。ECMレーベルは、ジャズについては「典型的な欧州ジャズ」を旨とする。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。極力、電化サウンドを排除し、アコースティックな表現を基本とし、限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音をベースに、とりわけ、1970年代を中心に、ECMのレーベル・イメージを確立した。
この"the most beautiful sound next to silence" この「沈黙に次いで最も美しい音」を基本とするECMレーベルの「音の統一感」は、"produced by Manfred Eicher" のクレジットの下に徹底されている。現代芸術的な統一感溢れるアルバム・ジャケットのアートワークを含め、ドイツ人らしい徹底的に「統一感」に拘った仕事には、まさに欧州の、ゲルマン民族の心意気を感じる。
そういう意味で、米国のブルーノート・レーベルの「統一感」に勝るとも劣らない、芸術という観点でのレーベル運営をECMに感じることが出来る。アイヒャーの監修・判断による、アイヒャー独裁による強烈な「美意識」。
さあ、皆さん。ECMの「音の迷宮」にようこそ。
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