Art Blakey & The Jazz Messengers『Impulse』
Art Blakey & The Jazz Messengersの『Impulse』(写真左)である。
Art Blakey & The Jazz Messengersには、グループ名そのままのアルバムが、3枚以上あって紛らわしいのだが、一番有名なブルーノートのそれは『Moanin'』と呼ばれ、後の2枚は、リリースしたレーベル名で呼ばれる。今日、ご紹介するのはimpulseレーベルから、もう一枚は、Columbiaレーベルから(ジャズ喫茶で流したい・第5回参照)である。
この『Impulse』は、1961年6月の録音。パーソネルは、Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb),
Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Art Blakey
(ds)。
フロント3管の時代。ペットのモーガン、サックスのショーター、そして、トロンボーンのフラー。最強の3管フロントである。リズムセクションも、ピアノは黒くてファンキーなピアノが売りのティモンズ、堅実ベースのメリットと玄人好みの二人をシッカリ残している。そして、ドラムはブレイキー御大。
このメンバーの演奏で悪かろうはずがない。冒頭の「Alamode」を聴いただけでワクワクする。モーガンの、ちょいと捻りを入れた、鯔背なペットは聴いていて惚れ惚れするし、コルトレーンっぽい音は残っているものの、ウネウネ〜、フゲゲゲ〜といったショーター独特の咆哮がそこかしこに聴かれ、これが実に魅力的。
しかし、何と言っても、フラーのトロンボーンの音色が効いている。トロンボーンのボヨヨンとした、ちょっとノンビリした音色が、尖ったモーガンのペット、ショーターのテナーの攻撃的な演奏をホンワカと包むように受け止める。そして、ソロは目が覚めたようにブラスの響きを「ブリッブリッ」とさせながら、力強いソロを取る。
僕はこのペットのモーガン、サックスのショーター、そして、トロンボーンのフラーの「フロント3管時代」が、Art Blakey &
The Jazz
Messengersの活動の歴史の中で最強の編成だと思っている。
とにかく、ソロをとってみても、ユニゾンをとってみても、アドリブをとってみても、
どれも上質のハードバップである。しかも、時代は1960年代に入り、そのハードバップの演奏内容は内容的に頂点に達しており、それはそれは聴き惚れんばかりの、それはそれは魅力的で「これぞジャズ、これぞハードバップ」って感じなのだ。
このアルバムはジャズ者初心者の方々にも「お勧めの優れもの」です。が、CDとしては廃盤状態みたいで、現状では、iTunes
Storeなど、ダウンロードサイトからの入手になりますね。
このアルバムの様に、なかなか廃盤状態とかで、一般にCDとして入手できないアルバムは、そ
れこそジャズ喫茶の出番ですね。そういう意味で、このArt Blakey & The Jazz
Messengersの『Impulse』は、ジャズ喫茶で是非流したいアルバムの一枚です。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« Art Blakey『The Jazz Messengers』(Columbia) | トップページ | George Wallington『Complete Live at the Caf Bohemia』 »
「ドラム」カテゴリの記事
- Bobby Jaspar『Bobby Jaspar, George Wallington & Idrees Sulieman』(2014.01.13)
- The Great Jazz Trio『Love For Sale』(2014.01.13)
- Arthur Taylor『Taylor's Wailers』(2014.01.12)
- Art Blakey & The Jazz Messengers『Impulse』(2013.03.21)
- Art Blakey『The Jazz Messengers』(Columbia)(2013.03.21)
« Art Blakey『The Jazz Messengers』(Columbia) | トップページ | George Wallington『Complete Live at the Caf Bohemia』 »
コメント