« Denny Zeitlin『Tidal Wave』 | トップページ | John Lewis『Improvised Meditations & Excursions』 »

Charles Mcpherson『Live At The Cellar』

ちょっと捻りを効かせた、聴いているジャズ者の方々が、「これ、何て言うアルバム」って、ジャケットを見に来るような、そんなアルバムを、ジャズ喫 茶では流したい。ジャズ者の皆さんが、買うのに躊躇う、手に入れるのに悩む、でも、実のところ、ジャズとしてなかなかの内容のアルバム。そんなアルバム を、ジャズ喫茶で流したい。

このアルバムも、もし僕がジャズ喫茶のマスターだったら、さりげなく流したいアルバムの一枚である。 Charles Mcpherson(チャールス・マクファーソン)の『Live At The Cellar』(写真左)。

Charles Mcpherson(チャールス・マクファーソン)。1939年7月24日ミズーリ州ジョブリン生まれ。1959年、ニューヨークへ進出し、バリー・ハリ ス(p)に師事。1960年代に入り、この時代には珍しいパーカー派のアルト・サックス・プレイヤーとして注目され始め、頭角を現す。『ミンガス・アッ ト・モンタレイ』の録音に参加。ときて、ああ〜、あのアルト奏者ね、と思い出す方は、かなりのジャズ者でしょう。

パーカーの伝記映画「Bird」でパーカーの吹替演奏パートを担当したことでも有名、とくれば、ああ〜、あのアルト奏者ね、と思い出す方も、やっぱり相当なジャズ者でしょう。
 

Charles_mcpherson_live_cellar

 
なぜか日本ではマイナーな存在。しかしながら、パーカー直系と言われながらも、パーカーの単なるフォローに留まらず、モーダルで、アブストラクトな 演奏を交え、しかもハード・バップ的な歌心ある旋律を重ねていく、パーカーを基調としながらも、ジャズ・サックスの先端のトレンドをしっかりと吸収した、 彼の先進的なアルトは、実に印象深く、実にエモーショナルである。

今回ご紹介している『Live At The Cellar』は、1曲の収録時間が10分を超える熱演が、ズラ〜っと6曲続く。熱演に次ぐ熱演。マクファーソンのアルトの音色は、熱気溢れるブロウなが ら、清々しく潔く、聴き応え満点。ちなみにパーソネルは、Charles McPherson(as), Ross Taggart(p), Jodi Proznick(b), Blaine Wikjord(ds)。

う〜ん、馴染みの無いミュージシャンばっかりやなあ。でも、演奏の水準は高く、バップ系アルト・サックスを愛でるには格好のライブ・アルバムです。 こんなライブ・アルバムがあったなんて、このアルバムを初めて聴いた時には、自らの不明を恥じました。う〜ん、ジャズの世界は、とことん奥が深いなあ。だ から、ジャズって面白いんですよね〜。

良いアルバムです。お勧めです。そうそう、チャールス・マクファーソンって、ジョニ・ミッチェル(vo)によるチャールス・ミンガスへの追悼盤『ミ ンガス』のレコーディングにも参加しているんですよね。とくれば、ああ〜、あのアルト奏者ね、と思い出す方も、やっぱり相当なジャズ者ですね。

 
 

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

 

« Denny Zeitlin『Tidal Wave』 | トップページ | John Lewis『Improvised Meditations & Excursions』 »

アルト・サックス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Charles Mcpherson『Live At The Cellar』:

« Denny Zeitlin『Tidal Wave』 | トップページ | John Lewis『Improvised Meditations & Excursions』 »

リンク

  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。
  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。
  • ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ
    ジャズ喫茶『松和』は、ネットで実現した『仮想喫茶店』。マスターの大好きな「ジャズ」の話題をメインに音楽三昧な日々をどうぞ。このブログがメインブログです。