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Benny Golson『Gettin' With It』

昨日、ゴルソン・ハーモニーについて語った。ゴルソン・ハーモニーの主は、テナー奏者のベニー・ゴルソン(Benny Golson)。そんなベニー・ゴルソンの実に渋い、実にハードバップらしいアルバムがある。ジャズ盤の紹介本では、決してお目にかからない、そんなマニアックなアルバムである。

「ジャズ喫茶で流したい」シリーズの第17弾。ベニー・ゴルソンのマニアックな一枚をご紹介する。そのアルバムの名は『Gettin' With It』(写真左)。1959年12月の録音。ベニー・ゴルソンのリーダー3作目。ちなみにパーソネルは、Curtis Fuller (tb) Benny Golson (ts) Tommy Flanagan (p) Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)。

メンバーにしっかりと盟友のトロンボーン奏者、カーティス・フラーが名を連ねている。となると、このアルバムもゴルソン・ハーモニーが堪能できるアルバムだと想像がつく。そして、ピアノは伴奏の名手トミー・フラナガン、そして、ドラマーは、当時ファースト・コール・ドラマーの一人、アート・テイラー。ベースは早逝が惜しまれる、重厚堅実なベーシスト、ダグ・ワトキンス。パーソネルを見渡すだけで、このアルバムは、ジャズ本などでは、ほどんど挙げられることは無いけれど、その内容が期待できる、って感じのメンバー構成。

期待にたがわず、1曲目の「Baubles, Bangles and Beads」から、ドップリと絵に描いた様なハードバップな演奏が繰り広げられている。しかも、ミッドテンポで、コード進行が実にジャジー。加えて、魅惑のゴルソン・ハーモニーが炸裂する。これぞハードバップ、これぞジャズという演奏が心地良い。

全編に渡ってポイントは、やはりベニー・ゴルソンとカーティス・フラー中心に展開される「ゴルソン・ハーモニー」の響き。トロンボーンのホンワカ、ボワンとした響きと、ベニー・ゴルソンのウネウネ、ボヨヨンとしたテナーが実に良い相性。ゴルソン・ハーモニーは、ゴルソンのウネウネ、ボヨヨンとしたテナーの音を活かすことの出来る、あくまで、ゴルソンのテナーの為のハーモニーであることが良く判る。
 

Bennygolson_gettin_with_it

 
ジャズ・テナー単体で考えると、ゴルソンのテナーは決して誉められたものでは無いと、常々思っている。でも、ゴルソン・ハーモニーを奏でる場合、ゴルソンのテナーのウネウネ、ボヨヨンとした音が最適になるのだがら、ジャズは面白い。しかも、ベストな組合せは圧倒的にトロンボーン。特に、ホンワカ、ボワンとしたフラーのトロンボーンの響きが最適。ジャズって相性がとても重要だということが良く判る。

実にリラックスした内容の佳作である。フロントの2管が良質のゴルソン・ハーモニーを供給し、その勢いを受けて、それぞれのソロも充実。それをサポートするフラナガンのピアノも力強く優雅、ダグ・ワトキンスのベースは堅実堅守。そして、全体を取りまとめ、しっかりとグループサウンド全体を引き締める、名手アート・テイラーのドラム。メンバー全員がアルバム全編に渡って、リラックスしながらも、実に内容の濃い、派手では無いが地味に職人芸的テクニックを繰り広げている。

何しか聴いていて心地良いこと「この上無し」。ゴルソン&フラーのフロントにフラナガンのピアノとくれば名盤『ブルースエット』を思いだすが、どちらかと言えば『ブルースエット』は全編がキャッチャーで大向こう狙い。

でも、この『Gettin' With It』は、演奏する自分達が楽しめる、実にミュージシャンズ・アルバム的な世界。売れようとも思っていないし、受けようとも思っていない。ミュージシャン達自らが楽しむために演奏したジャム・セッションをひっそりと録音してアルバム化したような、シンプルで素直で小粋な音世界。

アルバム・ジャケットも実に渋い。Prestigeの傍系レーベルのNew Jazzからのリリースとは思えない、実に渋くて、実にジャジーなアルバム・ジャケット。このアルバムから出てくる音は、このアルバム・ジャケットから受ける印象と全く同じ音が出てきます。実にジャジーで実にハードバップな、穏やかで優しい音が素晴らしい。ゴルソン・ハーモニーの面目躍如です。
 
 
 

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