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2021年6月の記事

2021年6月10日 (木)

この熱い魂を伝えたいんや

上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』に続いて、上田正樹とサウス・トゥ・サウス『この熱い魂を伝えたいんや』(写真左)について語りたい。

上田正樹とサウス・トゥ・サウスは1967年に結成。意外と歴史は古い。ちなみにオリジナル・メンバーは、上田正樹 (vo), 有山淳司 (vo.g), 堤和美 (g), 萩原義郎 (g), 藤井裕 (b), 井上茂 (ds),宮内良和 (key)。その後メンバーチェンジが行われ、萩原・井上・宮内が抜けて正木五郎 (ds), 中西康晴 (key) が加入。人気が上がってきた1976年に突如解散。

『ぼちぼちいこか』は、このサウス・トゥ・サウスから、ボーカルの上田正樹とギターの有山淳司をピックアップして、アコースティック・セットをベースに大阪弁のリズム&ブルースを展開した作品であった。

この『この熱い魂を伝えたいんや』は、このサウス・トゥ・サウスのフルメンバーでのライブ音源。1975年12月のリリースだったと記憶している。このアルバムは、当時、FMで一部の演奏を聴いて、LPにて即入手した。ジャケットのメンバーの写真を見ても、このバンドは「只者では無い」と感じる。なんや、危なそうな兄ちゃんばっかやん(笑)。

この頃のサウス・トゥ・サウスのライブは二部構成。第1部が上田正樹と有山淳司がメインのアコースティックセット。いわゆる『ぼちぼちいこか』の音世界ですよね。そして、第2部が、サウス・トゥ・サウス全員による大阪弁ソウル・ミュージックという構成。ということで、このライブ盤は第2部のステージを収録したもの。1975年の芦屋ルナホールでのライブである。

このライブ盤には、サウス・トゥ・サウスの個性がギッシリと詰まっている。冒頭の「オープニング(サウス・トゥ・サウス)」を聴けば良く判る。この雰囲気は、当時の「ソウル・ミュージック」。日本人独特の乾いた軽めのファンクネスに乗って、大阪弁リズム&ブルースが冒頭から炸裂。
 

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後半の「R&B」なんだが、1970年代中盤当時は「ソウル・ミュージック」と呼ばれていた。アフリカ系アメリカ人のゴスペルとブルースから発展した大衆音楽。アースやクール&ザ・ギャング、ジェームス・ブラウン、スリー・ディグリーズ、バリー・ホワイト、レイ・チャールズ、マーヴン・ゲイ等々が代表的ミュージシャン。

サウス・トゥ・サウスは、当時のソウル・ミュージックをカバったり、上手くパクったり、アルバム全編で「大ソウル大会」を繰り広げている。そんなカバーや雰囲気の似た曲の中、ベースの藤井裕の作詞・作曲による3曲目「最終電車」の様なむっちゃソウルフルで、めっちゃ格好良いオリジナル曲があったりする。大阪弁リズム&ブルースの秀作である。

ラストはお馴染み、オーティス・レディングのカバーで「I Can't Turn You Lose」、邦題「お前を離さない」である。むっちゃ秀逸なカバーである。熱い演奏。それでいて、そのファンクネスは、日本人独特の乾いた軽めのファンクネスが個性的。この乾いた軽めのファンクネスが良い。日本人のR&Bである。

当時としてはとても個性的であり、今の耳で聴いても十分に個性的。今でも十分に通用する大阪弁リズム&ブルース。しかし、このライブ盤のリリースの明くる年、1976年に、サウス・トゥ・サウスは突如と解散してしまう。

当時、実に惜しい、と悔しがったものだ。ここまで「日本人によるR&B」の可能性を秘めながら、解散したサウス・トゥ・サウス。このライブ盤は、そのサウス・トゥ・サウスの個性の一端を十分に感じ取れる優秀盤。長年の愛聴盤です。
 
 
 

東日本大震災から10年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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