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2022年12月 6日 (火)

アーサー王と円卓の騎士たち

70年代プログレッシブ・ロックのアイドルの一人、リック・ウェイクマン。彼のキーボードについては、とてもお気に入りだった訳だが、何故か高校時代、僕の周りにはリック・ウェイクマンを愛でるロック者はいなかった。周りは皆、キース・エマーソン派やったなあ。

さて、そんなリック・ウェイクマン、ソロ作の第一弾が『The Six Wives of Henry VIII(ヘンリー8世と6人の妻)』、第二弾が『Journey to the Centre of the Earth(地底探検)』と意欲的な企画ものアルバムをリリースしてきた。

が、第一作は、思いっきり肩に力が入った直球勝負的な、とにかくあらゆる種類のキーボード弾きまくりという、ちょっと躁状態に似たロックなソロアルバムで、リック・ウェイクマンのマニアには喜ばれる内容ではあるが、あまり一般受けするものではなかった。

ちなみに第二作は、今度は一般受けするには、やはりクラシックとの融合だろう、と目の付け所は良かったのだが、かなりクラシックよりの壮大な音楽になってしまい、しかも予算の関係での短縮版としてリリースせざるを得ない状況もあり、ちょっと消化不良的な印象が残った。それでも当時は意外と売れたけどね。英国ヒットチャートでは1位に輝いている。

さて、前2作のソロ盤の反省を基に、ロックとクラシックの融合のバランスが程良く、ロック・バンドとオーケストラの同化が一番上手くいった企画ものアルバムが、第三弾の『The Myths and Legends of King Arthur and the Knights of the Round Table(アーサー王と円卓の騎士たち)』(写真)である。1975年のリリースになる。

1975年と言えば、僕は高校二年生。このアルバムについての想い出は多々あるんだが、まず思い出すのが、このアルバムを買う金が無くて、FMのエアチェックに頼った時のこと。FM大阪のビート・オン・プラザである。この番組で、リック・ウェイクマンの「アーサー王」がオンエアされるのは、FM番組雑誌でチェック済み。
 

Wakeman_arthur

 
しかし、クラブ活動の関係上、午後6時からの放送は間に合わない(当時エアチェック用のタイマーは持っていなかった)。しかし、このFM番組、日が替わって夜中の3時から再放送があった。この夜中の3時の再放送でのエアチェック一発勝負である。絶対に寝てはいけない。夜中の3時まで必死で起きていて、エアチェックに成功。翌日、映研の部室にエアチェックほやほやのカセットを持ち込んで、満足感一杯になりながら、聴き込んだことを覚えている。

さて、このアルバムの内容は、絵に描いた様なロックとクラシックとの融合で、クラシックの部分のアレンジがちょっと古くさいところが気になるが、クラシック・オペラの雰囲気で聴くには相応のアレンジなんだろう。今の耳で聴いても、そのアレンジは古い。古典的で俗っぽい、大衆受けするアレンジではある。

それでも、このアルバムについては、前2作同様、リック・ウェイクマンのキーボード・プレイを存分に愛でることが出来る。結局のところ、リック・ウェイクマンのソロ作である。リック・ウェイクマンのソロが一番映え、リック・ウェイクマンのプレイが一番冴えている。

しかし、このロックとクラシックの融合のテーマに「アーサー王」を持ってくるところは、リック・ウェイクマンもあざといなあ。「アーサー王」については英国人にとっては基本的に「ツボ」である。この「アーサー王」をテーマにロックとクラシックの融合にチャレンジしてみました、と言われるだけで、もうその手に落ちたも同然。日本人についても英国人とあまり変わりが無いんでしょうね、その感覚は(笑)。

僕達の様な「リック・ウェイクマン者」にとってはマスト・アイテムなアルバムですね。本当に、リック・ウェイクマンのキーボード・プレイを心ゆくまで楽しむことが出来ます。今から振り返って聴き直してみると、さて、プログレ者の方々に絶対お勧めかと言われれば、ちょっと趣味性が高いかなあ、とも思います。普通のプログレ者の方々には、このアルバムは、ちょっとチャレンジブルかもしれません(笑)。
 
 

東日本大震災から11年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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