ハードロック

2020年7月19日 (日)

Led Zeppelinの「西部開拓史」

Zepの3枚目のライブ盤について語りたい。そのライブ盤とは、Led Zeppelin『伝説のライヴ - How The West Was Won -』(写真左)。CD3枚組。2003年5月のリリースになる。これが出た時は、かなり「ビックリした」。

Zepの公式ライブ盤はたった2枚しか出ておらず、21世紀になって、もう出ないと思っていた。それが「出た」。「結成35周年記念」という触れ込みで突如リリース。ジミー・ペイジは完璧な音源管理をしている為、ライブ盤がリリースされたこと自体が「事件」であった。しかも絶頂期の1972年の音源である。かなり「ビックリした」。

しかも、ジミー・ペイジが完全監修である。綿密に編集が行われ、オーバーダブはほとんど無い。ライブ音源を最も聴きやすい状態してくれていることが、聴いていてとても良く判る。このライブ盤の音は、ダイレクトに絶頂期の1972年の迫力を伝えてくれる。

改めて、このライブ盤CD3枚組の内容は、Zepの最も全盛期とされる1972年6月25日のLAフォーラムと27日ロングビーチ・アリーナのショウのラ イブ音源からの抜粋。この正式ライブ盤が出るまでは、ブートで人気の高い音源だった。僕はブートには手を出さない主義なので、この2公演のライブ音源は、 その凄まじい演奏力は他に類を見ないほどのライブパフォーマンスとして伝え聞いてきた。
 
 
How_the_west_was_won  
 
 
1972年と言えば、最高傑作の誉れ高い『IV』を発表した翌年。このライブ音源の充実度合いと言えば、明らかに「並外れて」いる。Zepの魅力がギッシリ詰まったライブ盤である。ブートを知る人からの情報で、オーバーダブ殆ど無しとのこと。

「Dazed and Confused(幻惑されて)」なんか殆ど編集無しとのこと。つまりは、このライブCD3枚組、1972年のZepの凄さをダイレクトに追体験できる優れものということ。

ジミー・ペイジは、「バンドが最高の状態にあった時期のライヴだ」と自画自賛している。いや〜本当にそう思う。心からそう思う。特に、ジョンジーとボンゾのリズム隊の凄さが思いっきり実感出来る。

ちなみに、タイトルの「How The West Was Won」は、1962年に上映された、アメリカ西部開拓時代の1839年から1889年までの50年間を「ある開拓一家」の視点から描いたアメリカ映画のタイトルからの借用。今回のライブ音源がアメリカ西海岸でのものなので、その様を「西部開拓」になぞらえたのだろう。

しっかり凄いライブ音源が21世紀になって出てきたもんだ。きっとペイジはもっともっと、こういうライブ音源を持っているだろう。出して欲しいなあ、もうちょっと出して欲しいなあ。
 
 
 
東日本大震災から9年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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2020年6月28日 (日)

Zep『永遠の詩 (狂熱のライヴ)』

1970年代のロックの中で、一番好きなバンド名を挙げろ、と言われたら「Led Zeppelin(略称Zep)」の名を挙げる。それほど、僕の1970年代ロックのアイドルであった。部屋の天井に等身大のポスターを貼って、夜な夜な寝る時に眺めていた位である(笑)。フッと、そんあZepのライブ盤を聴きたくなった。

Led Zeppelin『The Song Remains the Same』(写真)。1970年代当時、僕達、リアルタイムにZepを体験した世代にとって、Zepのライブ盤は唯一これしか無かった。邦題は『永遠の詩 (狂熱のライヴ)』。1976年10月22日発売。今でも覚えている。当時、高校三年生。受験勉強真っ只中な頃なのに、予約しておいて発売日当日に買いに走った(笑)。

元々は、1973年7月27日から29日にかけて、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで録音されたものを編集ものである。このアルバム収録曲は3日間の各テイクを活用して緻密な編集が行なわれているが、オーバー・ダビングはほとんど行なわれていないことが判明している(Wikipediaより)。LP時代の収録曲は以下の通り。僕達、リアルタイムにZep体験した世代にとって、この収録曲、この収録順が一番味わい深い。

A面 

1. ロックン・ロール - Rock and Roll  

2. 祭典の日 - Celebration Day
3. 永遠の詩 - The Song Remains the Same

4. レイン・ソング - The Rain Song  

B面

1. 幻惑されて - Dazed And Confused

C面
 
1. ノー・クォーター - No Quarter

2. 天国への階段 - Stairway to Heaven

D面

1. モビー・ディック - Moby Dick

2. 胸いっぱいの愛を - Whole Lotta Love
 
 
Songremains_lp_us_front
 
 
とりわけ、LPのA面の4曲の流れは筆舌に尽くしがたい。何度繰り返し聴いたかしれない。そして、全編に渡って聴き込むに従って、やはり、ジミー・ペイジのエレギは「三大ロックギタリスト」の称号に相応しい素晴らしさであることを再認識する。とにかく、ペイジのリフが素晴らしい。圧倒的な「リフの帝王」である。これほど、格好良くて印象的なリフを叩き出せるギタリストは他にいない。

そして、改めてやっぱりこの人がZepの要なんだな〜、と再認識するのが、ジョン・ポール・ジョーンズ(愛称ジョンジー)のベース。CDになってリマスターされて、ジョンジーのベースラインが聴き取り易くなったお陰なんだが、ジョンジーのベースの音、ベースのラインは凄い。当時の他のロック・ベーシストと比較して、そのテクニックは抜きん出ている。当時は明らかに「過小評価」されていたことを改めて感じる。

キーの下がったロバート・プラントのボーカルと少し元気の無い感じのジョン・ボーナムのドラミングが気がかりではあるが、もともとこのライブ盤は、Zepのコンサート映画『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』のサウンドトラックであることを考えると、仕方の無いことではある。それよりもライブのプラントの歌声、ボンゾのドラミングが聴ける喜びの方が大きかった。

やっぱりZepは最強のロック・バンドだと思った。何と言っても、いろいろと課題はあれど、サウンドトラックでありながら、このライブ盤でのZepのパフォーマンスは圧倒的だった。

2007年、未発表であった曲を追加収録し、さらにリミキシングとリマスターを施したリイシュー盤(日本版では『最強盤』とタイトルが追加されている)がリリースされた。しかし、僕達、リアルタイムにZep体験した世代にとって、LP時代のオリジナルな収録曲、収録順が一番、味わい深く聴き応えがある。やはりリアルタイムで経験したが故であろう。
 
 
 
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2020年6月13日 (土)

Led Zeppelin Ⅲ (1970)

Zepの特徴は「素晴らしい疾走感」と「濃厚なロック・グルーヴ」そして「ダイナミズムと多様性」。この最後の「多様性」を最大限発揮したのは、このサード・アルバムであった。

『Led Zeppelin Ⅲ』(写真)。1970年10月のリリース。このアルバムは、Zepのアルバムの中でも最大の「問題作」とされる。冒頭の「Immigrant Song(移民の歌)」からして、曲調は従来のハードロック基調だが、響きはどこか「ワールド・ミュージック」風。ルーツ・ミュージック風の旋律の響きは、この曲だけでも、Zepの多様性を十分に感じさせてくれるものだった。

圧巻は2曲目以降。2曲目の「Friends」を聴くと「オヨヨ」と首を傾げたくなる。アコギ中心の演奏なのだ。僕はこの盤を初めて聴いたのは1975年。まだまだ、ロック小僧の耳には、アコギの演奏は「軟弱」に聴こえた。当時、ロックといえば「エレギ」。なんでZepがアコギの演奏なんや、とZepに裏切られた気がした。当時の僕は全くの「お子様」であった(笑)。

ただ、リリース当時の世間の評価についても、当時の僕と同じだったみたいで、アコギの曲が多く、Ⅰ&Ⅱに続いて「ハードなロック」を期待したファンからは「軟弱」と受け取られ、賛否がはっきりと別れた。しかし、今の耳で聴けば、全くそんな感覚は感じない。逆に、ルーツ・ミュージックの雰囲気を導入したことにより、Zepの音楽性の幅が凄く広がった感じがする。言葉は悪いが「単なるハードロック馬鹿」からの脱却を感じる内容である。
 
 
Led_zeppelin_3_20200613105401  
 
 
実はZep自体、それが第一の狙いだったようで、「単なるハードロック・ヘヴィメタルバンドではない事を実証するというよりも、進歩のないバンドではないという事を証明したかった」と語っている(Wikiより引用)。それでも、僕はそれが理解できる様になったのは、30歳を過ぎた「ロックおじさん」になった頃。Zepの音の全歴史を俯瞰して振り返れる様になってからである。

収録曲の半分以上がアコギ・サウンド(A-2およびB面全曲)ではあるが、アコギが変則チューニングであったり、リズムがワールド・ミュージック風であったり、演奏テクニックやアレンジに凝った工夫がなされており、アルバム制作のスタジオ・ワークという点では、当時からして相当に秀逸であり、他のロックバンドに比して、突出して独創的である。

アルバム・ジャケットも独創的。豪華な見開きジャケであり、加えて、表ジャケットが中空になっていて、中に回転する円盤が仕込まれている。この円盤を回転させると、ジャケットにくり抜かれた穴から、色々な絵が見えるという凝った造りになっている。しかし、これが、実はペイジの意に反している。

もともとは、休暇をとった土地「ブロン・イ・アー」で感じた自然の営み、生命の流転といった感覚を表現すべく、農事暦や動物の繁殖サイクルなどを回転する円盤によって順次見せる、というデザインだったとのこと。デザイナーの誤解とセンスの無さによって、ポップなジャケットになってしまったそうだ。なるほど。僕もこのポップなデザインはセンスが無いと感じていたので、ペイジの怒りは良く判る(笑)。
 
 
 
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2020年5月24日 (日)

Led Zeppelin Ⅱ (1969)

ジャズの合間の耳休め。ジャズを聴き続けて、ちょっと耳休めをする時、大体が70年代ロックのアルバムを選盤するのだが、ジャズの流れ、ジャズの雰囲気を継続したい時はジャズに通じる、ジャズ・ロック系やプログレ系のアルバムを聴く。逆に、ガラッと耳の雰囲気を変えたい時は、ジャズとは全く関係の無い内容のアルバムを選盤する。

今日は「ガラッと耳の雰囲気を変えたい時」。久し振りに、Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン・略してZep)を聴く。Zepはお気に入りのロックバンドで、1970年代で最高のロックバンドは何か、と問われれば、迷わず「レッド・ツェッペリン」と答える。その曲の素晴らしさ、その演奏力の素晴らしさ、そのルックスの格好良さ、揃いも揃った3拍子。

そんなZepのアルバムの中から、今回は『Led Zeppelin Ⅱ』(写真左)。1969年10月のリリース。1970年代だけでなく、ロックの傑作の一枚。冒頭の「Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)」から、ラストの「Bring It on Home(ブリング・イット・オン・ホーム)」まで、素晴らしい疾走感と濃厚なロック・グルーヴ、そして、ダイナミズムと多様性。ZepはZepのみの音楽性を形成していた。

その「Zepのみの音楽性」を初めて世に出したのが、この『Led Zeppelin Ⅱ』だろう。先の『Led Zeppelin Ⅰ』は、ブルース・ロックのバリエーションに留まっている。ファーストアルバムということもあって、冒険をせず、世間が耳慣れた「ブルース・ロック」を基本にまとめている。非常にクレバーな戦略である。ファースト盤でファンをグッと惹き付けておいて、セカンド盤で勝負、である。
 
 
Led_zeppelin_2  
 
 
ブルースロックの影が微かに感じられる部分もあるが、この盤の演奏のほとんどが「Zepオリジナル」。僕はこの盤を1975年の2月頃に聴いたが、度肝を抜かれた。それまで、ロックやポップスの曲を聴いてきたが、この『Led Zeppelin Ⅱ』の音は、今までに聴いたことの無い音のオンパレード。そんなオリジナルな音が、アルバム全編41分29秒の間、切れ目無く続くのだ。

今の耳で聴くと、ジョン・ポール・ジョーンズ(ジョンジー)のベースとジョン・ボーナム(ボンゾ)の唯一無二は、リズム&ビートの存在が大きい。この2人のリズム・セクションのリズム&ビートは、独特のグルーヴを生み出す。その独特のグルーヴが「Zepオリジナル」の源である。

その「Zepオリジナル」のグルーヴを基に、ペイジの個性的なエレギが乱舞する。これまた、ペイジのエレギの音が独特なんですよね。チューニング、アタッチメント、どれをとっても「ジミー・ペイジ」のオリジナル。そのペイジのオリジナルが、ジョンジーとボンゾの「Zepオリジナル」のグルーヴに乗って増幅される。

そんな「Zepオリジナル」な音をバックに、ロバート・プラントのボーカルが炸裂する。このロバート・プラントのボーカルも「それまでに聴いたことが無い」ボーカル。つまりは、Zepって、それまでに聴いたことの無い音が集まった「ロック界の最大の個性」なんだと思う。Zepの前にZep無し、Zepの後にZep無し。未だフォロワーの無い孤高の個性が、この『Led Zeppelin Ⅱ』に詰まっている。
 
 
 
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2020年4月19日 (日)

Led Zeppelin I (1969)

Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン、以下ゼップと略す)は、僕の高校時代のNo.1アイドルだったグループ。高校1年の夏、映研の合宿で、かの名曲「Stairwat to Heaven」を先輩から聴かされて以来、現在に至るまで「ぞっこん」である。どこが良いか、って何から何まで良いのだ。マニアとはそんなもんだ。

ゼップは、ヤードバーズ最後のギタリスト、ジミー・ペイジが、当時、頭の中にあった次のステップへのアイディアを具現すべく、優秀な各パートのメンバーを揃え、満を持して結成された。

その結成に対する、当時のペイジの意気込みは凄い。さすが「凝り性で執念の人」ジミー・ペイジ。次なるバンド結成に向けて、新しい楽曲のテストを積み重ね、遂には、ゼップのメンバーにメンバーを入れ替えて、ニュー・ヤードバーズとして、新しい楽曲のリハーサルを重ねる入念さ。そんな経緯を経て結成されたバンドのポテンシャルは凄まじいものだった。

ゼップの音楽性はハードなものに留まらず、ブルースからフォーク、トラッド、ファンク、レゲエ、ソウル、カントリー、ロカビリー、インドや中近東系の音楽に影響を受けた多様なもの。ロックのどのジャンルにも属さない、唯一無二な音楽性が最大の魅力だった(便宜上、ハードロックの分類されることが多いけど・・・)。
 
 
Zep_1  
 
 
まずは『Led Zeppelin Ⅰ』(写真)を聴き返したが、やっぱり良い。レッド・ツェッペリンって良い。とにかく、リフ一発、フレーズ一発、シャウト一発、ブレイク一発、ロックの基本中の基本がガッツリ詰まっていて、全編、あっという間に聴き終えてしまう。

とにかく「レッド・ツェッペリンⅠ」に収録された楽曲は全て、当時、絶対に売れる「売れ筋」を入念に分析し、その「売れ筋」の音的要素を全て詰め込んだ「用意周到さ」が素晴らしい。ロックンロールに必須な「印象的なリフとフレーズ」、当時絶対的人気を誇った「ブルース調」、そして、まだまだ根強い人気を維持していた「サイケディックな曲調」がしっかり詰まっている。

売れないはずないよな〜。でも、ゼップの素晴らしいところって、当時の「売れ筋」の全てを踏襲しているんだが、今の耳で聴いても、古さを感じないこと。どころか、新しい発見があったりするところ、これって、今でもイケるんじゃないの、と思わせる「音の普遍性、先進性」が素晴らしい。

今でも冒頭出だしの「Good times bad times」のイントロのリフを聴くだけでワクワクするし、「Dazed and confused」の怪しさに惚れ惚れし、「Communication breakdown」の疾走感にドキドキする。やっぱり、ゼップは、僕にとって、永遠の、最大の「ロック・スター」だということを再認識した次第です。
 
 
 
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