« 『Music From Big Pink』 | トップページ | The Band の「最高傑作」盤 »

2020年9月 2日 (水)

『The Best of The Band』

高校1年生の夏、EL&Pの『展覧会の絵』を体験して、プログレ小僧になった。そして、高校2年の秋からロックの志向が大変化して、スワンプや米国ルーツ・ロックが好きになっていった。そんな中、米国ルーツロックの最高峰「ザ・バンド(The Band)」との出会いって、何時だったのだろう。僕とザ・バンドとの出会いは何時のことだったか、と昔の記憶をたどり始めた。あれは確か、1976年の秋だったと思う。

高校3年生も残り僅か。そんな時期、受験勉強もろくにせず、高校3年生の秋の文化祭に向けて映画を作ってしまったので、ほとんど受験勉強は出来ていない。なんだかとても寂しい秋もとっぷり深まったある日、近くのレコード屋に立ち寄った。ここで「ザ・バンド」のベスト盤と出会う。そして、なぜか、オフコースの当時の新譜『Song Is Love』と一緒に買って帰ったのを覚えている。

ザ・バンドって、雑誌ミュージック・ライフなんかの写真とか紹介記事で名前は知っていたが、どんな音楽を演奏する連中なのか全く知らなかった。なんとなく、米国ルーツ・ロックな音を出すのだろう、というイメージはあった。でも、どんな音がするのか判らんのに、当時、よく2,300円も出して買ったもんだ。まあ、高校3年生の寂しすぎる秋に、茫然自失状態のまま、この「ザ・バンド」のベスト盤を手にしてしまったと思われる。

『The Best of The Band』(写真左・写真右は日本での帯紙付きリリース盤)。1976年7月のリリース。米国ルーツロックの最高峰「ザ・バンド(The Band)」のベスト盤である。それまで、クラプトンやオールマンズを通じて、米国南部、いわゆるサザンロック、スワンプなど、米国ルーツ・ロックな音は知っていた。が、これが聴いてみて「大ショック」たっだ。

当時「これがロックなのか」と唸りに唸ったのを覚えている。そりゃあそうで、後で知ったことなんだが、このザ・バンドって、当時から、ミュージシャンズ・ミュージシャンだったそうで、今でも若手ロック・バンドの連中からも「リスペクトの対象」であり続けているいる、凄いバンドなのだ。
 
 
The-best-of-the-band  
 
 
このアルバムの収録曲は以下のとおり、全11曲。当時の最新盤『Northern Lights Southern Cross』までのアルバムの中から選ばれている。いや、6曲目(LPではB面の1曲目)「Twilight(たそがれの流れ者)」だけがアルバム未収録のシングル曲。この選曲についてはベスト・オブ・ベストと言った内容。基本的には、あまりベスト盤は薦めたくないのだが、とにかくこのベスト盤は選曲と曲順が素晴しく、作品的な質も高い。
 
 
1. Up On Cripple Creek 
2. The Shape I'm In 
3. The Weight 
4. It Makes No Difference 
5. Life Is A Carnival
6. Twilight 
7. Don't Do It 
8. Tears Of Rage 
9. Stage Fright
10. Ophelia
11. The Night They Drove Old Dixie Down
 
 
こんなにシンプルで渋くて、落ち着いていてトラディショナルで、それでいて古くなく、演奏テクニックは抜群で歌心があって、スピード感もあり、バラードは情感タップリ。演奏は飾りのないシンプルな音だが、そのテクニックは実に高度。ど派手なハードロックよりも味わいがあって小粋。演奏自体を繰り返し繰り返し楽しめる。

俗に言う「カルチャーショック」である。コペルニクス的転回であった。このベストアルバムを聴いて以来、渋〜いロックに走っていって、ついには、米国ルーツ音楽の要、ジャズにのめり込んでいくのである。
 
 
 
東日本大震災から9年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 『Music From Big Pink』 | トップページ | The Band の「最高傑作」盤 »

The Band」カテゴリの記事

米国ルーツ・ロック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『Music From Big Pink』 | トップページ | The Band の「最高傑作」盤 »

2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

リンク

  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。
  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。
  • ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ
    ジャズ喫茶『松和』は、ネットで実現した『仮想喫茶店』。マスターの大好きな「ジャズ」の話題をメインに音楽三昧な日々をどうぞ。このブログがメインブログです。