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2021年8月11日 (水)

『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

1970年代ロックで特徴的なのは、プログレッシブ・ロック(省略形は「プログレ」)。の隆盛と衰退。ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(EL&P)、ジェネシスなど、相当数のプログレ・バンドが1970年代には存在した。

さて、そもそもプログレッシブ・ロックとは何か。簡単に言えば「電子楽器を駆使した交響楽的な音楽」と形容できる。ジャズやクラシックの要素を取り入れて、当時の最新技術による、実験的な音作りが特徴。ボーカル抜きのインストゥルメンタルの曲も多い。その長さと深さ、前衛的な難解さが魅力のロック・ジャンルであった。

そんなプログレの中で、花形楽器と言えば「キーボード」。当時の最新技術による、実験的な音作りが特徴のプログレ、当時、最先端のムーグ・シンセサイザー、メロトロン、ジャズで活躍していたハモンド・オルガン、そして、基本としてのアコースティック・ピアノ、そして、時に教会で主に使用されていたパイプオルガン。それらの複数のキーボードを駆使しての演奏は、プログレ小僧たちの憧れであった。

そのプログレのキーボード奏者については、EL&Pのキース・エマーソン派とYESのリック・ウェイクマン派に人気は二分されていた。Pink Floydのリック・ライトのファンというのは希少。僕は、どっちかというと、リック・ウェイクマン派であった。高校時代、来日したリック・ウェイクマンのソロ公演にも足を運んだ記憶がある。

僕が、リック・ウェイクマンに傾倒した切っ掛けとなったアルバムが、Rick Wakeman『Six Wives of Henry VIII(ヘンリー8世と6人の妻)』(写真左)である。1973年のリリース。英国王であったヘンリー8世の6人の妻達をコンセプトにしたアルバム。妻の6人の名前をそれぞれにタイトルにした曲で構成されている。
 

Six_wives_of_henry8

 
リック・ウェイクマンのプログレ・キーボードはクラシックの影響が強い。特にアコピのフレーズはクラシック的なフレーズが中心となる。ジャズで活躍していたハモンド・オルガンもクラシック・ピアノの様に弾き回す。

クラシックほどでは無いが、ジャズからの影響も確実にあるが、キースの様に、ジャズの有名なフレーズを借用する様な洒落た真似はしない。キースに比べて、シンセサイザーやメロトロンの多用が特徴で、子供の頃、クラシックに親しんだ、キーボードのメカニック好きのプログレ小僧には、リック・ウェイクマン派が多いのではないだろうか。

そんなリック・ウェイクマンのプログレ・キーボードを堪能できるアルバムがこの『Six Wives of Henry VIII』。アルバムのジャケットには、メロトロンやRMIのエレピ、ミニ・ムーグなど、当時最先端の鍵盤楽器の機種のクレジットがあり、このアルバムは、当時最先端の鍵盤楽器の「音のショーケース」としても楽しめる。

また、内ジャケットには、その当時最先端の鍵盤楽器を周りに配置したリック・ウェイクマンの勇姿(写真右)がありこれがまた、当時のプログレ小僧からすると、うっとりとして「格好ええな〜」となる(笑)。

当時としては、それぞれの演奏についてはスピード感もあり、キーボードの音もなかなか良く録れており、プログレ・キーボードを堪能するには格好のアルバムである。とにかく、プログレ小僧の僕としては、今の耳で聴いていても楽しい、プログレ・キーボード・ヒーローの永遠のエバーグリーンである。
 
 
 
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